借金の時効援用を行う場合、費用はどれぐらいかかるのか?

消費者金融から借金したあと、収入がなくなったり、夜逃げをして返済しなくなった場合、最後の取引から五年以上が経過しているのであれば債務を時効にできる可能性があります。ただ、時効を成立させたいのであれば、債務者の方から債権者に対して「時効を援用したい」という通知をしなければなりません。

通知の仕方にはいくつかあり、費用にも差が出てきます。

内容証明郵便での援用通知なら1000円程度で行える

時効の援用を通知する場合、もっとも標準的なのが郵便を使う方法でしょう。郵便にはいろいろな種類がありますが、法的にはどれを利用しても構いません。たとえば、もっとも安価に郵便を送れるという理由で普通郵便を使ってもいいですし、確実に債権者に届けたいという理由で書留郵便を使っても構いません。

援用の通知ではまず用いられませんが、はがきで出してもいいのです。ただ、一般的にもっとも安全で、しかも確実に時効を成立させられると考えられているのは内容証明郵便しかありません。なぜ、内容証明郵便は安全で確実なのかというと、書留なので配達状況が記録され、さらにどんな文面を書き送ったのか、その控えが郵便局に残されるからです。

もし仮に、債権者が「時効の援用通知など届いていない」としらを切ったとしても、郵便局には「確かに配達した」という記録と、「中身はこのような文章」という控えが残っているので、裁判で争う事態になっても時効の成立が認められる可能性は極めて高くなるのです。

債務者自ら時効の援用通知を書いて内容証明郵便で送った場合、かかる費用は通常郵便代の82円、内容証明料が430円、書留料が430円で、合計942円になります。これは2018年時点での料金であり、もし、今後、郵便代金が値上がりするようであれば変わってくるので注意しましょう。

また、便箋を何枚使って通知を送るかによっても費用が変わってきます。というのは、郵便物の重さが25グラムを超えると通常郵便代が増えますし、便箋が二枚以上になると、二枚目から内容証明料が260円ずつ加算されていくからです。

たとえば、便箋二枚で援用を通知すると基本の内容証明料430円にプラスして260円が足され、690円かかることになります。そのため、できるだけ安く内容証明郵便を送りたいのであれば、必ず便箋一枚にまとめるようにしましょう。

借金の援用通知というのは、単に「あなたから借り入れた債務を時効にしたい」という内容なので、それが債権者にわかるように書けば問題ありません。

援用通知の文書を行政書士に代書してもらう場合は?

援用通知を自分で書く自信がない、書くのに失敗して万が一、援用ができなくなってしまったら困るので、専門家に書いてほしいという場合は行政書士に頼むといいでしょう。行政書士は、本人にかわって申込書などを代書するという仕事を請け負っていて、身近なところでは運転免許証の申請書などを書いています。

借金の援用通知という、あまり他人に見られたくない文書を書いてもらうのは心配という人もいるかもしれませんが、行政書士は国家資格の持ち主であり、もちろん守秘義務もあるので安心です。もし、行政書士に頼むという場合は、当然、依頼料がかかります。

費用は何社に通知を送るのかといったことでも変わってきますが、だいたい一通あたり三万円前後と考えておくといいでしょう。当然、行政書士によってはこれよりも安く請け負ってくれることもありますし、反対に高い料金を請求してくる人もいます。

ただ、時効の援用通知の代筆は弁護士や司法書士でも請け負ってくれますが、行政書士が一番安く書類を作ってくれる可能性が高いです。

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債権者に電話で通知するなら10円前後の費用で済む場合もあるが、援用が失敗する可能性も

郵便だと費用が高い、もっと安く時効の援用をしたい場合に電話を使うことは可能なのでしょうか。これは可能です。郵便を使うとはがきで送ったとしても62円かかりますが、電話であれば10円前後で済む可能性があり、相当安く援用ができます。

ただ、電話で援用を行う場合はいろいろなことに注意しなければなりません。まず、時効というのは、援用を通知する時点で成立する条件を満たしていたとしても、うっかり債権者に対して、「このまま時効にするのは申し訳ないので、少し返してから援用します」といってしまったり、あるいは実際にお金を返してしまったりすると成立しなくなってしまう可能性が出てきます。

債務の存在を認め、お金を返済するという意思を債権者に示しただけで、最後の取引から五年以上という期間がリセットされてしまうのです。貸金業者は、債務者を法律に触れないように脅したり、あるいは倫理観を刺激してきたり、情に訴えかけたりと、いろいろな話術を使って返済させる術に長けているので、電話をしてしまうと、時効を無効にされてしまう可能性は十分にあります。

そのため、電話での援用通知はできるだけ避けた方がいいでしょう。

もっとも費用を抑えられるのは債権者に直接会って援用を通知する方法

債権者が経営している消費者金融などの窓口に直接行って、時効援用を申し出るということも可能です。この方法だと交通費さえかからなければ援用にかかる費用は0円なので、もっとも安価に時効を成立させられます。しかし、電話での援用通知と同じように、貸金業者にいろいろいわれて混乱してしまい、ついお金を返してしまう、あるいは返す約束をするということがあるかもしれません。

電話でも対面でも、直接、債権者とコミュニケーションを取る形で援用するのは危険といわざるを得ません。確実に成立させたいのであれば、やはり内容証明郵便での通知が一番いいのです。

電話や直接会って行った援用が債権者の脅しなどで失敗させられたら?

もし、電話や窓口で援用通知を行おうとし、うっかりお金を返してしまったら、実際のところ、どうなってしまうのでしょうか。当然、そこから再度援用を通知しようとしても、貸金業者は返済されたという事実を証拠として、無効であると主張してくることが考えられます。

ただ、債務者を騙すような言動をしていたり、あるいは危害を加えるなどと脅して返済させていた場合は、債権者の主張こそ無効であるとして、時効を成立させられる可能性はあります。債権者が裁判を起こしてきたら、必ず出廷して、無理矢理返済させられたと主張しなければなりません。

しかしながら、証拠を提出できないとやはり不利になってしまいます。したがって、なんらかの理由でどうしても債権者と直接話す形で時効の援用をしたいというのであれば、会話を録音できる電話機を使ったり、あるいはボイスレコーダーをセットして、援用を通知するようにしましょう。

そうすれば、債権者が無理矢理返済させようとしても、会話の内容が残るので裁判で有利になります。